こんにちは!こはるです。
住宅展示場でお客様と話していると、よく「坪単価はいくらですか?」という質問を受けます。
住宅広告には「3LDK○○万円!」などとうたったチラシをよく見かけます。
家を建てる上で、皆さんが気になること、それは、お金のことではないでしょうか。
家を建てるのに、一体いくらかかるのだろう…?
A社とB社、金額を比較して検討したい!
家づくりに関わるお金の悩み、不安は尽きません。
ところが、建築会社からもらう見積もりや資金計画は、
会社によって項目も書式も様々、
一体何の費用が含まれていて、何が含まれていないのか、
どちらが安いのか、
初めて見るお客様にとって大変わかりにくい場合が多いです。
そこで本日は、この資金計画、見積もり書の見方、比較の仕方を詳しく解説致します。
家づくりに関わる費用
本体価格とは?坪単価で比べてはNG!
チラシや見積もりでもよく見かける「本体価格」
本体価格って一体何が含まれているのでしょうか?
一般的には、本体価格には家の構造部分、お風呂、キッチン、トイレの基本的な水回り設備が含まれていることが多いです。
しかし実は、「本体価格」に含まれる内容は、会社によって様々なのです。
A社は「本体価格」の中に、水回り、外構費用、足場やガードマン費用などの仮設工事費用、太陽光発電システム費用を含んでおり、B社は建物費用しか含んでいない。
といったことも起こりうるわけです。
よく、建築会社の価格を比較するときに、「坪単価」で比べることがありますが、実は、これも全くあてになりません。
「坪単価」とは「本体価格」÷「坪数」で算出される価格をいいますが、
そもそも「本体価格」がさす内容が、建築会社によって異なるのです。
もっと言えば、「坪数」も、会社によって、バルコニー部分を含む含まない、など定義が違うことがあります。
なので、安易に「坪単価」だけで建てられるかどうかを判断するのはNGです。
本当は予算内で建てられる会社を諦めてしまったり、安く建てられると思ったら、大幅予算オーバーになってしまったり、ということになりかねません。
本体価格を見るときは、必ず「本体価格」に何が含まれているかも合わせて確認するようにしてください。
設計料、諸手続き料って?
家づくりの項目には設計料、諸手続き料と呼ばれるものがあります。
これは、家を建てるにあたっての、建築確認申請(違法建築でないことを確認許可してもらう申請。必ず必要です)の申請料や、長期優良住宅の申請費、図面の作成費、工事中の安全管理費、などがあげられます。
これらの費用は、本体価格の中に一緒に含まれている場合もありますので、会社ごとにどこに計上されているかチェックしてみましょう。
付帯工事の内容は?網羅できているかチェック!
建物の本体価格のほかに、家づくりでは「付帯工事」という工事費用が掛かります。
これは、実際に家に住むにあたって必要なライフラインの整備などの工事費用です。
具体的には、
- 屋内外給排水工事(上下水道の整備)
- 屋外ガス工事
- 地盤改良工事
- インテリア工事(照明やカーテン、インターホンなど)
- 外構工事(整地作業やお庭、駐車場など)
- 冷暖房工事(エアコン、床暖、全館空調など)
といった項目があります。
インテリア、外構、冷暖房工事に関しては、建築会社で請け負わないケースもあり、
費用項目に入っていないこともありますので要注意です。
また、それ以外の項目に関しては、どこで建てるとしても必ず発生する費用です。
これらの費用が抜け漏れしていたり、また大幅に金額差がある場合は、一度確認してみてください。
諸費用って何?注意点をチェック
住宅を建てるには、工事以外にも諸費用が掛かります。
具体的には、
- 水道引き込み費用、分担金(状況により必要)
- 建物登記費用
- 住宅ローン事務手数料、保証料
- 火災保険料・地震保険料
- 家具・家電購入費
- 引っ越し費用
といった費用です。
これらの項目も、どこの会社で家を建てたとしても必ず支払う金額です。
資金計画に漏れのないよう、確認しておく必要があります。
また、これらの項目は建築会社では請け負えない費用のため、
概算、として安めに表記されている場合もありますので、金額が妥当か、しっかり調べておくと安心です。
注意点としては、諸費用部分は一般的に住宅ローンで組むことができないため、
現金として用意する必要がある、ということです。
(諸費用ローンという形で組むことができる金融商品もありますが、住宅ローンより金利が高いケースが多いです)
契約後に費用は上がるのか?
さて、ここまで住宅を建てるにあたって、どんな費用が必要なのか、確認しました。
当初の資金計画が予算内だったとしても、契約後、どんどん金額が上がってしまっては、計画倒れになってしまいます。
実際にお客様と話していても、契約後の金額アップを心配される声は多いです。
そこでこの項目では、契約後、金額が上がってしまう原因、無理なく計画を進められるコツを紹介します。
含まれていない項目はないか?
請負契約後に金額が上がってしまう最大の原因はこれ。
本来必要な項目が含まれていないことです。
よくあるケースとしては、
- 地盤改良費が『未定』となっており、契約後地盤調査したら100万円超の費用が必要になった
- 外構費用が概算で計上されており、実際に打ち合わせを進めたら大幅に上がってしまった
- エアコン費用がLDK1台分しか入っていなかった
といったことがあります。
これを防ぐポイントは、契約前になるべく詳細まで打ち合わせをすることです。
間取りが気に入ったので、契約、ではなく、
契約前に地盤調査をしてもらい、地盤改良費がかかるかどうかをチェック、
(会社によっては契約後にしか調査してもらえない場合もありますが、その場合は概算で100~200万円ほど地盤改良費をとっておくと安心です)
エアコンも必要な台数計上してもらい、
外構工事も、本決定ではないにしろ、地盤面の高さ、駐車場スペース、ウッドデッキの有無、あたりは決めて概算費用を出してもらうと安心です。
契約の前段階から、家づくりの終点までを見据えて、しっかり予算取りをすること、これにつきます。
知れば知るほど費用アップ!?オプションの罠
家づくりの計画の落とし穴は、計画を進めるうちに、どんどん知識が深くなり、皆さんマニアになっていくことです。
当初は満足していた内容でも、いろいろ調べていくうちに、もっとこうした方がいいのでは、と、物足りなくなってしまうのです。
もちろん、鉄の意志で金額をアップさせないように打ち合わせをすることも可能です。
実際、絶対に金額をアップさせたくない、というご希望で、請負ご契約時から金額アップなしで工事着手させていただいたお客様もたくさんいます。
ただ、よりいいもの、より素敵なものを知りながら、採用しない、我慢の打合せが多くなり、人によっては家づくりを楽しいと思えなくなる可能性もあります。
なので、おすすめは、理想の予算と上限の予算を決めておき、請負契約時には理想の予算内に収めておくことです。
上限予算までのところで100~200万円ほど余力があると、どうしても採用したい!と思ったものに出会ったときに、思い切って取り入れることができます。
どうしても余力を確保することが難しい場合でも、請負契約時にオプションなしで契約するのはおすすめしません。
オプションがある程度盛り込まれていれば、何か追加したいものが出てきたときに、もともと入っているオプションとの入れ替えをすることで費用アップを抑えることができます。
新しい暮らしに必要なお金もチェック
新しい家に住み始めるにあたっては、思った以上にお金が出ていきます。
新しいお家になるから、食器を新調しよう。
テレビと冷蔵庫は大きいものに買い替えよう。
子供の入学に合わせて3月に引っ越ししたら、引っ越し費用が高い!
などといったケースです。
家に住み始めるまでのイメージをしっかりもって、
どんなお金が必要か、ぜひシミュレーションしてみてください。
各社見積もりの比較の仕方
実は、家づくりの見積書、資金計画書は、建築会社によって大きく異なります。
項目も違えば、書式も違います。
(統一書式があれば親切なのに、といつも思います…)
なので、建築会社を価格で比較するにはちょっとしたコツがあります。
まずは費用全体を、
- 建物本体工事
- 設計・諸手続き料
- 付帯工事費
- 諸費用
に分類します。
2~4の項目については、どこの会社で建てた場合でも必要となる費用のため、
抜け漏れがないか、金額に大きな差がないかチェックします。
あまりに大きな金額差がある場合は、内容がきちんと網羅できているか、建築会社に確認するのがいいです。
4の項目に関しては、建築会社の請負契約には入りませんので、比較のために金額を固定してしまいましょう。
そのうえで、請負契約に含まれる1~3の項目の合計で金額比較をします。
(外構工事の金額が概算の場合、いったん4の項目に移して、概算予算取りとしておいてください)
ポイントは、決して建物本体価格のみで比較しないことです。
前にも書きましたが、「本体価格」に含まれる内容は会社によって異なるからです。
まとめ
資金計画の見方、いかがでしたでしょうか?
大切なのは、
- 項目をしっかり理解すること
- 抜け漏れがないかチェックすること
- 予算をあらかじめしっかり立てること
です。
値引き額やサービス内容に左右されることなく、
自分たちの求める内容と金額を照らし合わせて、妥当かどうか、で
判断していただけると、一番失敗が少ないはずです。
もし資金計画の見方で不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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