ハウスメーカー営業が語る ハウスメーカーはなぜ高いのか

家作りのお金の話

こんにちは!こはるです。

私、ハウスメーカーに勤めて8年になりますが、

ハウスメーカーは高い、そういわれることが多々あります。

確かに、建物価格だけで比べれば、

地域の工務店に比べて値段は大きく異なります。

でも、高いには高いの理由があるのです。

今日はハウスメーカー営業の立場から、なぜハウスメーカーの家が高いのか、大いに語らせていただきます。

ハウスメーカーが高いのは広告宣伝費が高いから?

よくハウスメーカーの価格が高いのは、豪華な俳優陣をCMに起用しているからだ!という話をききます。

果たして本当にそうなのでしょうか?

答えはNOです。

そもそも、工務店とハウスメーカーでは年間着工棟数が異なります。

ハウスメーカーが年間約1万棟前後の受注があるのに対し、工務店が年間10棟前後です。

仮にハウスメーカーが広告宣伝費で10億円の費用を使ったとしても、

一棟当たりの負担額は10億円÷1万棟=10万円

年間受注棟数が大きいので、一棟当たりの負担は大きくならないことが分かります。

一方で、有名俳優を使ったCMをバンバン打たなかったとしても、地域のチラシやDMなど、

工務店にも何かしらの広告宣伝費は必要です。

工務店の広告宣伝費がハウスメーカーに比べてかなり少ない200万円としても、

年間棟数が10棟ならば一棟当たりの負担額は20万円。

ハウスメーカーよりも負担額は大きくなるのです。

つまり、ハウスメーカーが大々的な広告宣伝活動を行えているのは、

圧倒的な着工棟数があるからであり、

高額な広告宣伝費をお客様に負担させているからではない、

ということがわかっていただけたと思います。

ハウスメーカーにあって工務店にないもの

ハウスメーカーの圧倒的な着工棟数によってスケールメリットは、

広告宣伝費だけではありません。

受注棟数が大きければ、提携する設備機器のメーカーからの仕入れ価格も下がるため、

お客様へより安い価格で設備、部材を提供することができます。

にもかかわらず、

工務店とハウスメーカーの価格差は数百万円に上ります。

その理由は一体何なのでしょうか。

一番の違いは人件費

一番の違い、それは人件費です。

人件費が高い、というとコストの無駄のように聞こえますが、

要は手厚いサービスを提供している、ということです。

工務店は規模も小さく、最低限の人員で運営しています。

窓口となる担当者がそのまま設計業務、工事の管理を行い、融資や火災保険などの家づくりに関わる諸雑務はお客様自身で行う、というスタイルが多いです。

一方のハウスメーカーでは、お客様にたくさんの担当がつきます。

融資から火災保険、資金計画の調整など、打ち合わせのあらゆる窓口となる営業担当。

建築士の資格を持ち、お客様へ細部まで提案を行っていく設計士。

内装イメージをつかみ、照明、カーテン、家具を提案するインテリアコーディネーター。

お庭や駐車の計画を提案する外構プランナー。

徹底した現場管理を行い、工事現場とお客様の橋渡しをする工事管理担当者。

引き渡した後も、電話一本で24時間受付対応できるアフター担当者。

たくさんの人員がお客様の家づくりを支えています。

もちろん、自分自身で全て行えるから、こういったサービスは不要だ!と思われる方もいるかもしれません。

が、困ったら何でも相談、丸投げできる手厚い環境、というのは、

膨大な量の検討をして、比較検討、決定していかなければならない家づくりにおいて、

心強いことであると思います。

 

徹底した技術検証と保証システム

もう一つ工務店との大きな違いは、技術力の差です。

自社で実験施設や研究施設をもっており、耐震性や耐久性、断熱気密性など、家の性能の部分を徹底的に検証しています。

もちろん、工務店でも、いいサッシや断熱材、構造材を採用しているところはたくさんあります。

ただ、その性能のいい部材がきちんと自社の構造で性能を発揮してくれているかまでは検証されていないことがほとんどです。

ハウスメーカーの自社検証では、徹底検証した自社オリジナル部材を使っていたり、

他社製品でも、きちんと自社の家で期待される性能を発揮できるかを調べた上でお客様へ提供します。

その意味では、性能値への安心感は間違いないはずです。

全国展開する中で、どこで提供する家も高いクオリティを維持できるのは、この高い技術検証力と現場管理体制ゆえと言えます。

もう一つは保証の部分です。

保証とは、万が一住み始めてから住宅の構造部分に瑕疵(傷のこと。住むに支障のある欠陥と思ってください)があったり、雨漏りしたりした場合、建築会社の負担で家を復旧する制度のことです。

住宅建築においては、建築会社に瑕疵担保責任が課せられるので、法律で必ず10年は保証がつくことが決まっています。

多くの工務店は、この法律にのっとって、10年保証をしています。

一方のハウスメーカーでは、30年~60年と、瑕疵担保責任を大幅に上回る保証をしています。

(ただし、保証を延長するのに、一部のメンテナンス工事を求めるケースもありますので、よくご確認ください)

なぜこれが可能かというと、これも徹底した自社検証のたまものです。

使っている部材一つ一つを自社で検証し、耐久性、性能が妥当かどうかを確認したうえで、使用しているからです。

長期的な目線で、家を安心して長持ちさせようと思うと、ハウスメーカーの家はメリットが大きいです。

見えないところにこそコストを

その他、見えない部分にもコストを使っています。

例えば、工事中の安全フェンスや防犯カメラ、工事車両が出入りする部分の鉄板や砂利敷、近隣への配慮。

こうした部分は、家本体に関わる費用ではありませんが、

安全かつ円滑に工事を終えるために大切な費用です。

こうした工事管理や近隣への安全対策にも万全の体制で工事をしているのがハウスメーカーの特徴です。

そのほか、打ち合わせ中の3Dシミュレーションシステムや、部材ショールームの完備など、お客様が快適に計画を進められるための設備投資にもお金が使われています。

まとめ 本当にハウスメーカーは高いのか

確かに、ハウスメーカーの価格帯は工務店に比べて高いです。

決して暴利をむさぼっているわけではありません。

たくさんの受注棟数があるからこそのスケールメリットを生かし、

最新の研究や技術開発を行い、

お客様満足のために手厚いサービスを用意し、

安心安全な家づくりのためにしっかりと管理体制を整える。

それがハウスメーカーの家です。

ただ、ハウスメーカーでも価格はピンからキリまでありますし、

(私こはるは、少々お高い部類のメーカーに勤めています)

工務店もまた然りです。

ここで語ったことが、すべてのハウスメーカー、工務店に当てはまるわけではありませんので、ご了承ください。

ただ、一つ、

ハウスメーカーがただただ暴利を貪っているから高い!

ブランド料だ!というイメージが少しでも払拭できたら嬉しいです。

 

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