こんにちは!こはるです。
本日は、住宅の軒について語ります…!
住宅の外観デザインは様々で、近年は屋根のないフラットルーフの四角い外観や、太陽光がたくさん搭載できる片流れのモダンな外観なども増えてきました。
ですが、日本で昔ながら愛された深い軒の寄棟屋根や切妻屋根の外観。
これにはたくさんのメリットがあるのです。
この記事を読んで、軒の素晴らしさが少しでも伝わればうれしいです。
そもそも軒ってなに
そもそも軒って何??という方のために、簡単にご説明します。
軒とは、屋根の端で外壁から張り出した部分のことを言います。
軒、とか、軒天、と言ったりします。
(株式会社ニチハカタログより抜粋)
ちょうど上の写真の木調の部分が軒天です。
様々な屋根のスタイルと軒
屋根の種類によっても軒の形状は異なります。
屋根には大きく分けて、家の四方から中心に寄せていった寄棟屋根、いわゆる三角屋根の切妻屋根、大きく一枚で屋根をかけた片流れ屋根、屋根がフラットな陸屋根(フラットルーフ)の4種類があります。
この中で、印象的な軒天を作りやすいのは、寄棟屋根、切妻屋根です。
ただし、切妻屋根の場合、屋根の下りてくる方向にしか軒は作れませんので要注意です。
軒のメリットは5つある
屋根によっても軒の出の作り方は異なりますが、軒を作ること、軒を深くすることのメリットは大きく5つあります。
冬暖かく夏涼しい
軒の深い家は冬暖かく、夏涼しいです。
環境省の検証によれば、屋外における日陰と日向の地表面の温度差は約20度にも及ぶそうです。
日射熱の影響はそれほどに大きいということです。
ということは、室内に置いても、日射をどのようにコントロールするかで、室内温度がかなり変わってくると言えます。
真夏のカンカン照りの日差しが差し込み続ければ、どんなに断熱気密性の高い家でも(いやむしろ、断熱気密性の高い家ほど)室内は灼熱地獄になります。
そこで、深い軒が役に立つのです。
軒が深ければ、真夏の太陽を上手に遮ってくれ、室内を日陰にしてくれます。
太陽の日射熱から家を守ってくれるのです。
それでは冬はどうでしょうか。
実は、冬は太陽高度が正午でも約32度しかないため、深い軒を作ったとしても、ちゃんと室内まで日射が入ってくるのです。
(ちなみに夏の太陽高度は正午で約78度です。かなり差がありますね。)
まさに、冬暖かく、夏涼しい家が実現するというわけです。
外壁を汚れから守る
深い軒の二つ目のメリットは外壁の汚れが軽減される点です。
屋根部分は普段、砂やほこりで汚れています。
軒のない家の場合、汚い屋根を通った汚い水が、直接外壁を伝うので、外壁が汚れやすいです。
また、外壁の汚れが目立つポイントとして、窓周りがあります。
窓周りに、黒い液だれのような、『雨だれ』というものができます。
これも、汚い雨水が外壁を伝う時にできるのですが、軒が深ければ、お家が傘をさしているような状態なので、外壁を伝う雨水がかなり減り、汚れを軽減することができます。
内と外のつながりをつくる
軒天の高さと室内の天井の高さを揃えておけば、軒下と室内を一体空間のように感じさせることができます。
それによって、LDKの視線の抜けをよくしたり、アウトドアリビング空間として、外に広がりを持たせたりすることができます。
※ダイワハウスマリナ通り展示場の写真をお借りしました。
濡れないアプローチ
軒が深ければ、雨の日に玄関から出ても濡れることはありません。
駐車スペースと一体化して深い軒を作れば、車から降りて、室内に入るまで濡れないアプローチを作ることも可能です。
美しい外観
言わずもがな、軒の深い家は美しいです。
よく街で見かける建売住宅は、軒が短いことが多いです。
これは、コストカットのためですが、コストをかけてでも軒を深くしておくと、外観に存在感が出ます。
高級旅館なども、深い軒の落ち着いた佇まいだったりします。
※住友林業昭和第一展示場の写真をお借りしました。
まとめ
軒の魅力、伝わりましたでしょうか?
実用面でも、デザイン面でも、深い軒は建築において大きな意味があります。
スタイリッシュなボックス外観にも、それはそれで良さがあると思いますが、個人的には深い軒の寄棟外観が好きです。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
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